1|GREEとは? ― SNS企業からゲーム企業、そして次のステージへ
GREEは2004年にSNSサービスから始まった企業で、
2010年前後には「釣り★スタ」などのソーシャルゲームで大きく成長しました。
現在は、
- モバイルゲーム
- メタバース・バーチャル領域
- 投資事業
- 広告・メディア
など多角化を進めており、
“ポストゲーム時代の収益源づくり” を本格化させています。
2|直近の決算ハイライト
※以下はGREEの直近決算(2023〜2024年)をもとに一般的な構造を可視化した内容です。
正確な数値はIR情報を確認する必要がありますが、
“決算の読み方”として理解できるようポイントを整理しています。
▶ 売上の柱は依然として「ゲーム事業」
GREEグループの売上高は大部分が ゲーム領域 によるもの。
ただし、従来型のソーシャルゲーム市場は成熟化しており、
売上は横ばい〜微減のトレンドが続いています。
▶ 利益は投資・メタバース領域が変動要因
- VR・メタバース事業への先行投資
- 子会社の新規事業(REALITY など)
- 投資損益
が利益変動の主因。
特に REALITY(メタバースプラットフォーム) は
海外ユーザー比率が高く、成長ポテンシャルが高いため、
GREEは“第二の柱”として育成中。
▶ 営業利益は縮小傾向だが、構造改革が進行中
ゲーム依存から脱却するための投資フェーズで、
短期的には利益が圧迫されやすい状況。
GREE自身も、中長期視点での
「ポストゲームの成長ドライバーを育てる転換期」
と位置づけています。
3|事業別の決算ポイント
以下はGREEの決算を読み解くうえで押さえるべき主要領域です。
▶ ① ゲーム事業:成熟市場の中で安定収益
代表作:
- 釣り★スタ
- アナザーエデン
- シノアリス(以前の提携)
- Heaven Burns Red(WFS)など
ゲーム市場は競争激化&ユーザー獲得コスト増が続き、
“確実に伸ばす”のが難しいフェーズ。
しかし、GREEのゲームスタジオ Wright Flyer Studios(WFS) は
演出・世界観に強く、ヒットIPを生み出せる力があります。
▶ ② メタバース事業:REALITYが高評価
GREEグループの注目は、世界展開する REALITY。
- スマホでVTuberになれるアプリ
- アバター × 配信 × コミュニケーション
- 海外ユーザー比率が70%以上
- 収益はアイテム課金型
メタバース市場は世界的に投資が集まる領域で、
GREEの中で最も“未来の柱”として期待されています。
▶ ③ 投資事業:スタートアップ支援
GREEは長年、投資事業で一定の成果を上げてきました。
- 国内外スタートアップへの出資
- 上場企業からの収益確保
- メタバース・XR企業への戦略投資
投資益が決算を押し上げることも多く、
利益の“調整弁”としての役割を持ちます。
4|競合比較:GREEの立ち位置を理解する
ゲーム × メタバース企業として、GREEの市場ポジションは以下のとおりです。
| 企業 | 強み | 立ち位置 |
|---|---|---|
| GREE | ゲーム開発 × メタバースの両軸 | 転換期の多角化モデル |
| DeNA | スポーツ × ゲーム × 交通 | 安定した非ゲーム収益を確保 |
| MIXI | スポーツ × エンタメ × コミュニティ | モンスト以降の収益多角化へ |
| Cygames | 高品質ゲーム・IP力 | ゲーム一本で高成長 |
| GREE(REALITY) | メタバース特化型の先行優位 | グローバルで急成長 |
特に REALITYの世界展開を見据えた戦略はGREE独自の強み と言えます。
5|“この数字をどう読む?” 転職者向け・決算の読み方
転職希望者にとって重要なのは、
数字をそのまま見るのではなく 「背景」 を理解することです。
✔ 売上が横ばい → “事業転換の過渡期”
ゲーム市場の成熟による自然なトレンド。
むしろ、REALITYなど新規領域の伸びを評価すべき。
✔ 営業利益が減少 → “未来への投資フェーズ”
メタバース投資により短期利益は低下。
しかし、将来の柱を育成する段階であり、
成長企業にありがちな健全な動き でもある。
✔ キャッシュポジション → “財務健全性”
GREEは長年の利益でキャッシュが厚く、
新規事業投資を続けられる安全性を確保している。
6|GREEで働く魅力(キャリア視点)
✔ 魅力
- メタバースなど新領域で挑戦できる
- グローバル展開する事業に関われる
- ゲーム企画・開発の幅が広い
- 企画職・クリエイターが活躍しやすい文化
✔ 向いている人
- 新しい体験をデザインしたい
- ゲーム × コミュニティ × XR領域に興味がある
- 自主性があり、自分で仕事を作れるタイプ
- 変化を楽しめる人
✔ 注意点
- 事業フェーズが変化しているため、柔軟な対応が必要
- メタバース事業は競争が激しく、成功確率は未知数
- ゲーム領域はヒット依存が避けられない
7|編集部まとめ
GREEは今まさに
“第2の創業期”
とも言える企業フェーズにあります。
ソーシャルゲームで一世を風靡し、
その後にメタバース・スポーツ・投資と事業を広げ、
新しい成長軸の構築に挑む“変革企業”。
短期的な業績だけでは判断できない魅力を持ち、
特に REALITY を中心とする新事業の成長が
“次のGREE”を決定づける重要テーマです。
“ゲームだけで終わらない企業へ。”
GREEは、挑戦を楽しむ人にとって
非常に面白いフィールドとなるでしょう。















