【企業研究】コクヨ株式会社―“働く・学ぶ・暮らす”をデザインする老舗ブランド。その進化は文具メーカーの枠を超えている。

1|コクヨとは? ― 文具の枠を超えた「空間価値創造企業」へ

コクヨは1905年創業の、日本を代表する文具・オフィス家具メーカー。
キャンパスノート、クリップ、ファイル用品など、
“誰もが一度は使った文房具ブランド”として高い認知度を誇ります。

しかし近年のコクヨは、文具だけの企業ではありません。

  • 働く場(オフィス) をデザイン
  • 学ぶ場(教育空間) をつくる
  • 暮らす場(ホームオフィス) を提案
  • 空間デザイン・コンサルティング 事業を展開

「モノづくり企業」から「ワークスタイル × 空間の総合デザイナー」へ。

これが、現代のコクヨの姿です。

2|コクヨの事業領域

同社の事業は大きく3本柱で構成されます。

▶ ① ステーショナリー(文具)

  • キャンパスノート
  • テープのり「ドットライナー」
  • ファイル・バインダー
  • 筆記具・事務用品

“シンプルで使いやすく、長く愛される機能美”はコクヨの真髄。
高いブランド力と超ロングセラー商品が強みです。

▶ ② ファニチャー(オフィス家具)

  • オフィスチェア
  • デスク
  • ミーティング家具
  • コワーキング空間の設計

働き方改革やリモートワークの普及で、
「ワークスタイルをデザインする会社」としての存在感が拡大。

特にオフィス空間のコンサルティングに強く、
日本を代表する大企業のオフィス改革に多数携わっています。

▶ ③ 空間デザイン(KOKUYO Workstyle Design)

オフィスだけでなく、

  • 学校
  • 図書館
  • 研究施設
  • 公共空間
    などの空間づくりを手掛ける事業。

「働く・学ぶ・集う」のクオリティをデザインする企業へと進化しています。

3|コクヨの強みとは?(競合優位性)

🟧 ① ブランド力 × ロングセラーの資産

キャンパスノートをはじめ、
コクヨの商品は“日常に溶け込むブランド”として圧倒的認知度。

これは参入障壁の高い、非常に強固な資産です。

🟧 ② 空間デザイン力の高さ

オフィス家具メーカーでありながら、
働き方・動線・組織文化まで踏み込んだ空間提案が特徴。

  • 働き方改革
  • 働く場の多様化
  • リモートとオフィスの最適化

これらの課題に対して“科学とクリエイティブで解決”する会社です。

🟧 ③ モノからコトへ(サービス化戦略)

単なる文具販売ではなく、
「働く時間の質を上げる」「学校の学び体験を変える」など、
体験価値を重視したサービス型モデルへシフトしています。

🟧 ④ 研究開発 × デザインの思想

使いやすさ・機能性・ミニマルデザインを追求し、
“ユーザーの潜在ニーズ”を掘り起こす企画力が強い会社。

BtoC・BtoBの両方でその世界観が評価されています。

4|競合比較:コクヨの立ち位置

企業名強み立ち位置
コクヨ文具 × 家具 × 空間の総合力オフィス・教育の“空間価値デザイナー”
プラス文具・事務用品に強いコスパ・業務用の強み
ぺんてる筆記具・デザイン文具クリエイティブ寄り
オカムラオフィス家具に強いオフィスのプロフェッショナル
イケア生活空間の提案力BtoC特化の大型家具

コクヨは“文具と家具のハイブリッド企業”として独自性が高いポジションです。

5|コクヨの近年のトレンド(決算観点)

  • オフィス家具市場はリモート普及の影響を受けつつも回復基調
  • 新オフィスやリノベーション需要が増加
  • 文具市場はロングセラー商品が安定収益
  • 海外市場(アジア)でブランド拡大
  • DX・データ分析を活かしたオフィス戦略が進行中

特に “働き方の変化”が追い風 となり、
コクヨの空間デザイン事業は今後さらに伸びる領域です。

6|コクヨで働く魅力(キャリア視点)

✔ 魅力

  • 老舗ながら革新的な文化
  • BtoC&BtoB両方の仕事に関われる
  • “働く・学ぶ・暮らす”を社会レベルで変えられる
  • デザイン・企画・空間設計など多様な職種がある
  • ブランド力が高く顧客との信頼関係が強い

✔ 向いている人

  • 文具やデザインが好き
  • 空間づくりや働き方改革に興味がある
  • ユーザー中心の企画ができる
  • 長く愛される“良質な製品”をつくりたい

✔ 注意点

  • 大企業ならではの調整力が必要
  • プロジェクトが長期になるケースが多い
  • 「モノ」+「コト」の双方を理解する視点が求められる

7|編集部まとめ

コクヨは、

“文具メーカーの枠を超え、働き方・学び方をデザインする企業。”

という唯一無二の立ち位置を確立しています。

日常の中にある“当たり前”をつくり続けながら、
同時に未来のワークスタイル・学習環境も創造する企業。

使いやすいノートから大企業のオフィスまで、
生活と働き方のあらゆるシーンを支えるブランドであり続けています。

“空間を変えれば、人はもっと創造的になれる。”
コクヨは、その思想をかたちにする会社です。