1|東京メトロとは? ― 日本の大動脈を支える公共交通企業
東京メトロ(東京地下鉄株式会社)は、
東京23区中心部を網羅する 9路線・180駅を運営する都市インフラ企業。
- 1日平均輸送人員:約770万人(世界トップクラス)
- 時刻表通りの「正確さ」「安全性」で高評価
- 官民ファンド(国と東京都が株主)
- 地下鉄 × 不動産 × まちづくりを組み合わせた事業モデル
コロナ禍で輸送人員が一時減少したものの、
2023年度以降は “回復と成長フェーズ” に入っており、
決算も大幅に改善しています。
2|東京メトロの決算ハイライト(最新年度)
※公開されている2023年度決算をもとに要点をまとめています
▶ 売上高:約4,500億円(前年比+増加)
輸送人員の回復により運輸収入が大幅増。
特にオフィス出社・観光需要の回復が追い風となりました。
▶ 営業利益:大幅黒字化
- 運輸収入の改善
- 経費削減(省エネ運転・設備最適化)
- 不動産・関連事業の伸長
により、黒字幅が大きく拡大。
▶ 経常利益・純利益:安定した黒字基調
メトロは鉄道会社の中でもコスト効率が高いため、
利益率はJR系に次ぐレベルで優秀です。
3|収益の柱(事業構造)
東京メトロの収益源は「運輸」だけではありません。
▶ ① 運輸事業(メイン)
- 乗車券収入
- 定期券収入
- 企画乗車券
輸送人員の増減に最も左右されます。
コロナ後は 出社回復 × 旅行需要 により業績改善中。
▶ ② 不動産事業(駅ナカ・周辺開発)
メトロは「駅の不動産活用」に非常に強い会社です。
- ECHIKA
- メトロプロムナード
- オフィス・商業施設開発
- 駅ビル・地下商店街運営
安定収益源として長期的な成長に寄与しています。
▶ ③ その他関連事業
- メトロ文化財団
- 広告事業(交通広告)
- 小売・飲食
- ICカード(PASMO関連事業)
グループ多角化が進んでおり、
鉄道単体よりも収益構造が安定。
4|東京メトロが“強い理由”
🟧 ① 都心部を網羅する“圧倒的な需要安定性”
通勤・通学・観光の中心部に路線網が集中しており、
利用者数は日本屈指。
輸送需要が景気に左右されにくく、超安定企業。
🟧 ② 駅ナカ・不動産の収益性が高い
駅ナカ商業は鉄道会社の中でもトップクラスのクオリティ。
- 高いテナント稼働率
- 広告の価値が非常に高い
- 駅周辺開発による長期収益
鉄道 × 不動産のバランスが非常に良い点が強み。
🟧 ③ 公共インフラとしての信頼・安全性
「遅れない」「事故が少ない」「清潔」
という評価は世界プラットフォームでも話題に。
安全投資を継続しつつ、効率性も維持している点が高評価。
🟧 ④ デジタル化・自動運転の取り組み
- ホームドア整備
- 自動列車運転装置(ATO)
- アプリでの混雑予測
- キャッシュレス推進(QR乗車等の実証実験)
今後のコスト削減・安全性向上に大きく寄与。
5|競合比較:東京メトロの立ち位置
| 会社 | 強み | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京メトロ | 都心密着・高収益・駅ナカが強い | 日本トップクラスの地下鉄 |
| JR東日本 | 路線規模最大、駅ビジネスが強力 | 鉄道×不動産の巨人 |
| 都営地下鉄 | 公営で安定 | インフラ性が高い |
| 私鉄(東急・小田急など) | 沿線開発に強い | 不動産事業が豊富 |
東京メトロは「鉄道単体」よりも
“都市ビジネス会社”としての色が強い企業です。
6|東京メトロで働く魅力(就活・転職視点)
✔ 魅力
- 都市インフラを支えるやりがい
- 安定性が圧倒的に高い
- 大規模プロジェクト(線路・駅改良)が多数
- 鉄道 × 不動産 × DX の幅広い事業
- 福利厚生が非常に充実
✔ 向いている人
- インフラ・まちづくりに興味がある
- 長期視点で社会価値を生む仕事がしたい
- 安定 × 成長の両方を求める
- 調整力がありチームで動くのが得意
✔ 注意点(リアル)
- 公共性ゆえの慎重な意思決定
- 現場配属も多く、安全意識が必須
- 大企業のため部署によって文化が異なる
- 長期的プロジェクトが多くスピード感は限定的
7|編集部まとめ
東京メトロは、
“都市の安全と快適さを守りながら成長を続ける、極めて安定したインフラ企業。”
鉄道だけでなく、
駅ナカ・不動産・広告・DXなど幅広い領域で事業を展開し、
今後の都市開発や交通インフラの未来を担っていく存在です。
「安定していて社会性が高い企業がいい」
「都市インフラやまちづくりに興味がある」
「生活の基盤を支える仕事がしたい」
そんな学生にとって、東京メトロは非常に魅力的な選択肢です。
















