▶ はじめに
就活が始まると、誰もが口にするのがこの言葉です。
「やりたいことが分からない」
「自分の強みが見つからない」
でも実は、それは“悪いこと”ではありません。
むしろ自然なことなのです。
大学時代に全てを決める必要なんてありません。
ただ、“自分がどう生きたいか”の方向性だけは、少しずつ見つけていく必要があります。
この記事では、そんな大学3年生に向けて、
「自分を理解し、企業選びにつなげる」ための自己分析とキャリア設計の実践法を紹介します。
STEP1:まずは「自分史」を書いてみよう
就活の自己分析は、“思考”ではなく“振り返り”から始まります。
ノートを開き、次の3つのテーマで「自分史」を書き出してみてください。
- 小・中・高校・大学で一番頑張ったことは?
- その中で一番うまくいった経験/失敗した経験は?
- その時、何を考え、どんな行動を取ったか?
ここで大事なのは、「何をしたか」ではなく「どう考えたか」。
企業は“行動の背景にある価値観”を見ています。
例:文化祭でリーダーをした → 「人を巻き込み、目標を達成することに喜びを感じる」
例:アルバイトで接客を続けた → 「人の感情に寄り添い、安心を与えることにやりがいを感じる」
この“感情のパターン”こそ、あなたの強みの原点です。
STEP2:自分の“モチベーション軸”を見つけよう
次に、「どんな時に自分はやる気が出るのか」を考えましょう。
下の5つの“モチベーション軸”の中で、自分が強く共感するものを選んでみてください。
| 軸 | 特徴 | 向いている仕事タイプ |
|---|---|---|
| ① 成長軸 | 新しいことを学ぶ・挑戦する | ベンチャー・企画職・IT業界 |
| ② 貢献軸 | 誰かの役に立ちたい・支えたい | 教育・医療・人材・福祉業界 |
| ③ 安定軸 | 安心して長く働きたい | インフラ・金融・公務員 |
| ④ 創造軸 | 形にすることが好き | 広告・デザイン・メーカー |
| ⑤ 成果軸 | 数字・結果を出したい | 営業・コンサル・商社 |
自己分析とは、自分の「性格」ではなく「価値観」を知ること。
どの軸が自分の行動を動かしてきたかを見つめ直すことで、
“企業選びの方向性”が見えてきます。
STEP3:「仕事観」を言葉にする
自己分析のゴールは、“自分を理解すること”ではありません。
理解した自分を言葉にできることです。
例えば、次の質問に即答できますか?
- あなたが「仕事をする理由」は何ですか?
- どんな人と働きたいですか?
- どんな成果を出せたら満足ですか?
これらを文章にしてみると、自分の「働く軸」が見えてきます。
言葉にすることで、面接でブレない“キャリアの芯”ができるのです。
💬 例:仕事観の言語化例
「私は、人の成長に関われる環境で働きたい。自分がサポートした人が活躍する瞬間にやりがいを感じるからです。」
「私は、課題を見つけて改善する仕事がしたい。仕組みを変えることで多くの人の生活を良くしたいからです。」
STEP4:「未来の自分」を仮設定する
ここまで整理した内容をもとに、“5年後の理想の自分”を仮で描いてみましょう。
- どんな仕事をしている?
- どんな人と関わっている?
- どんな1日を過ごしている?
これは“理想の固定化”ではなく、“方向性の地図”です。
一度決めたら終わりではなく、就活の過程で何度もアップデートしてOK。
キャリアは「発見」ではなく「仮説と修正の連続」。
その柔軟さこそが、これからの時代を生きる力になります。
STEP5:自己分析を企業選びに接続する
せっかく自分を深く理解しても、「企業選び」に反映されなければ意味がありません。
自己分析で見つけた「価値観」や「モチベーション軸」を、企業の理念や働き方に照らし合わせてみましょう。
💡 例:
- 「成長軸」→ 社員の挑戦を応援するベンチャー企業
- 「安定軸」→ ライフプランを支える総合職採用企業
- 「貢献軸」→ 人や社会の課題解決を目指す業界
企業研究とは、“自分の価値観と企業文化の相性”を確認する作業なのです。
編集後記:就活の“正解”は、あなたの中にある
就職活動は、正解を探す旅ではありません。
あなたの中にある“納得”を見つける旅です。
「向いている仕事」よりも、
「大切にしたい価値観」で選ぶこと。
これが、自己分析×キャリア設計の本質です。
🗂 まとめ
| ステップ | 内容 | ゴール |
|---|---|---|
| STEP1 | 自分史を振り返る | 行動の背景にある価値観を見つける |
| STEP2 | モチベーション軸を把握する | 自分の“やる気スイッチ”を理解する |
| STEP3 | 仕事観を言葉にする | 面接でブレない軸をつくる |
| STEP4 | 未来の自分を仮設定 | 方向性を持つ |
| STEP5 | 企業選びに接続する | “自己理解×企業理解”の一致点を探す |
✍ 編集部コメント
就活とは、「他人に合わせること」ではなく、「自分を知り、伝えること」。
焦らず、立ち止まって、自分を見つめる時間をつくってください。
あなたの歩幅でいい。
その一歩が、きっと未来のキャリアの始まりになります。


















