【企業研究】吉本興業―“笑い”を文化へ。エンタメの未来を切り開く、日本最大の総合コンテンツ企業

1|100年以上続く、日本のお笑い文化の中核企業

吉本興業(吉本興業ホールディングス株式会社)は1912年創業。
日本のお笑い文化を支え続けてきた100年以上の歴史を持つ総合エンターテインメント企業です。

「なんばグランド花月」「ルミネtheよしもと」を始め、
全国に劇場網を持つ企業は世界でも珍しく、
芸人・タレントの育成から舞台・テレビ・映画・ライブ配信まで、
あらゆる領域で“笑いのプラットフォーム”を創り続けています。

2|事業内容 ―“芸能”にとどまらない多層構造ビジネス

吉本興業の事業は、芸能マネジメントに留まりません。
むしろ同社の本当の強みは、笑いを軸にした多角的なビジネスモデルです。

▶ ① タレントマネジメント

約6,000名以上(芸人・タレント・俳優など)を抱える日本最大規模。
若手育成機関「NSC(吉本総合芸能学院)」は、
ダウンタウン、千鳥、霜降り明星など人気タレントを輩出しています。

▶ ② 劇場事業

全国に劇場を展開し、1日数十公演を実施。
ライブエンタメとしての芸人との接点を創出することで、ファンと文化を育て続ける仕組みを構築しています。

▶ ③ メディア・コンテンツ制作

  • テレビ番組制作
  • 映画・ドラマ
  • YouTube(吉本興業公式・芸人チャンネル)
  • 配信イベント・オンラインライブ

時代に合わせた多様なコンテンツを発信し、
「笑い×映像」のノウハウをアップデートし続けています。

▶ ④ 地方創生・行政連携

近年は地方自治体と連携し、
タレント・芸人の“地域プロデューサー”起用やイベント企画など、
公共領域での活動も増加。

「笑いで人を元気にする」企業として、新たな社会価値の創出に挑戦しています。

3|吉本興業が独自ポジションを築いた理由

▶ 理由①:人材育成力(タレント開発の仕組み)

NSCや劇場育成により、
“スターをつくる仕組み”を100年以上かけて構築。
教育 × 現場(劇場) × メディア露出 が有機的に連動し、
他社には再現できない巨大なタレントエコシステムを形成しています。

▶ 理由②:ライブ文化×メディア文化の融合

テレビ全盛期からYouTube時代まで、
メディアの変化に合わせて芸人・コンテンツを最適化。
「劇場で磨く」→「テレビでブレイク」→「SNSで広げる」という
独自の文化循環モデルを確立しました。

▶ 理由③:“笑い”を社会価値に変換

企業イベント・地方創生・教育プログラムなど、
単なる芸能事務所ではなく“笑いで社会課題を解決する企業”へと進化。
文化事業とビジネスを両立させるレアな存在です。

4|時代ごとの変化にどう対応してきたか

吉本興業は、文化・メディアの変化に強い企業です。

▼ テレビ全盛期

人気番組を生み出し、お笑いスターを次々に輩出。

▼ ライブ・劇場文化の強化

劇場網を全国に整備し、若手育成・ファン創出を強化。

▼ YouTube時代

芸人のチャンネル運営を全面支援し、
“動画でファンとつながる文化”を構築。

▼ デジタル配信・オンラインライブ

コロナ以降、オンラインライブ・配信イベントで新たな収益源を確立。

変化の波を受けるのではなく、
常に“新しい笑いの形”を提案してきたのが吉本興業という企業です。

5|就活・転職視点:吉本興業で働く魅力

✔ 魅力

  • 「お笑い」「エンタメ」という唯一無二の領域に関われる
  • タレント・クリエイターと一緒に“文化”をつくる仕事
  • 企画・制作・マネジメント・イベントなど幅広い業務に挑戦できる
  • 変化が激しい業界だからこそ、成長スピードが速い

✔ 向いている人

  • エンタメを仕事にしたい
  • 企画・プロデュース・クリエイティブに興味がある
  • 現場主義・“人を支える”ことが好き
  • 変化に前向きに楽しめるタイプ

✔ 注意点

  • 業界特有のスピード感
  • 夜型・イベント対応など、働くリズムに柔軟さが必要
  • 目立つ華やかさの裏に、地道な調整・管理業務も多い

6|編集部まとめ ― “笑い”を未来へつなぐ企業

吉本興業は、
「笑いをビジネスに変えた唯一無二の企業」であり、
同時に
「笑いを文化として残し続けてきた企業」です。

舞台、テレビ、SNS、地域、海外。
広がり続ける“笑いのフィールド”は、
これからのエンタメ業界を考える上で欠かせない存在。

“笑顔を届ける企業は、時代とともに進化する。”

吉本興業は、そんな姿を体現している企業といえるでしょう。