1|会社概要と沿革
三菱自動車工業株式会社(MITSUBISHI MOTORS CORPORATION)は、
1870年創業の三菱グループを母体とする日本の自動車メーカーです。
設立は1970年(昭和45年)。
三菱重工業の自動車部門が分社化され、
「走る歓び」「走破性」「耐久性」を軸に発展してきました。
本社は東京都港区芝浦三丁目1番21号。
代表取締役社長 兼 CEO は 加藤 隆雄 氏。
現在は、日産自動車およびルノーと共に「アライアンス」を形成し、
技術・生産・開発を共有しながらグローバルに事業を展開しています。
「Drive your Ambition」―
それは、“挑戦する勇気を持つすべての人へ”をテーマにした企業スローガン。
三菱自動車のDNAには、常に「冒険」と「革新」が刻まれています。
(参考:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/)
2|事業内容とブランド構成
三菱自動車は、**SUV・ピックアップトラック・電動車(EV・PHEV)**を主軸に事業を展開しています。
| 事業領域 | 主な車種・ブランド | 特徴 |
|---|---|---|
| SUV/4WD | アウトランダー、エクリプスクロス、デリカD:5、RVR | 走破性・悪路性能に強み。アジア・オセアニアでも高評価。 |
| 電動車(EV/PHEV) | アウトランダーPHEV、ekクロスEV、ミニキャブEV | 早期からEV技術を開発し、国内メーカーの先駆者。 |
| 軽自動車 | ekワゴン、ekスペース、デリカミニ | 日産と共同開発。安全装備と燃費性能を強化。 |
| 海外市場 | トライトン(ピックアップ)、パジェロスポーツ | 東南アジア・オセアニア・中南米など新興国市場に強み。 |
同社の代表格「アウトランダーPHEV」は、
世界初の量産プラグインハイブリッドSUVとして誕生し、
グローバル累計販売台数は30万台を突破。
「環境性能」と「走行性能」の両立という難題を実現した名車として評価されています。
3|グローバル展開とアライアンス戦略
三菱自動車は、早くから海外市場に注力してきた企業でもあります。
特にタイ・インドネシア・フィリピンなどの東南アジアでは、
ピックアップトラック「トライトン」やSUVモデルが圧倒的な人気を誇り、
海外販売比率は全体の約9割に達しています。
この強みをさらに高めるため、
ルノー・日産との「アライアンス連携」を深化。
- 開発・部品・EVプラットフォームを共有
- 新興国向け共同車種の開発(ASEANプロジェクト)
- 欧州市場向けPHEV車の共同展開
など、グローバルでの協業により技術効率化と市場拡大を実現しています。
“三菱らしさ×アライアンスの力”
これが、近年の成長戦略の大きな柱です。
4|直近の業績ハイライト(2022〜2024年度)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 主なトピック |
|---|---|---|---|
| 2022年度(FY2022) | 約2兆4,440億円 | 約1,600億円 | 東南アジアで販売好調。円安効果で大幅増益。 |
| 2023年度(FY2023) | 約2兆8,210億円 | 約1,890億円 | 「トライトン」「デリカミニ」が販売を牽引。 |
| 2024年度(予想) | 約3兆円前後 | 約2,000億円前後 | 新型PHEV投入・欧州回復が寄与。 |
(出典:三菱自動車IR情報)
経営再建期を経て、現在は業績が大幅に回復基調。
特に東南アジア・オセアニア・中南米市場での販売伸長が目立ちます。
また、EV・PHEVなどの電動車シフトを進めることで、
環境対応と収益性の両立を実現しています。
5|技術革新と開発の方向性
▶ 電動化技術の深化
「アウトランダーPHEV」「ekクロスEV」「ミニキャブEV」など、
三菱はEV・PHEV領域の“実走経験”が豊富なメーカー。
長年の4WD技術にEV制御を融合させ、
「走破性×環境性能」のハイブリッドSUVとして独自の地位を築いています。
▶ 安全技術・コネクテッド化
先進運転支援「MI-PILOT」シリーズを中心に、
自動ブレーキ・車線維持支援・アダプティブクルーズなどを標準装備化。
さらに、データ連携による車両診断・災害支援機能など、
“社会に貢献するモビリティ” という新たな価値を生み出しています。
6|企業文化と働く環境
三菱自動車の社風を一言で表すなら、「挑戦と誠実の融合」。
製造業としての誇りと、“現場からの提案文化”を重んじる姿勢が特徴です。
若手社員でも新車種企画や海外プロジェクトに参加できる機会があり、
入社数年でグローバル業務に携わる例も少なくありません。
💬 社員の声(採用サイトより)
「自分の手掛けた車が世界中を走る。そんな実感がモチベーションになる。」
「部署の壁が低く、現場と経営が近い。」
「“三菱らしい走り”を守る誇りがある。」
また、働き方改革にも積極的で、
在宅勤務・フレックスタイム・育児支援制度を整備。
グローバル企業として多様性推進にも力を入れています。
7|就活・転職活動での注目ポイント
✅ 魅力
- 世界150か国以上で愛されるブランド力
- 東南アジア市場で圧倒的な販売基盤
- EV/PHEV分野での技術リーダーシップ
- 若手が海外・商品開発に関われるスピード感
⚠ チェックポイント
- グローバル業務が多く、英語力・異文化理解が求められる
- 技術職・開発職では長期的な専門性が必要
- 自動車業界全体がEVシフト期にあり、変化への柔軟さがカギ
8|編集部まとめ
三菱自動車工業は、“チャレンジ精神”を原動力に成長してきた企業です。
派手ではないものの、どの市場でも堅実に信頼を積み上げ、
「道なき道を走る車づくり」という独自哲学を貫いています。
EV化・グローバル化の波が押し寄せる今こそ、
三菱が持つ“冒険のDNA”が再び輝くタイミングです。
「Drive your Ambition」――それは、社員自身へのメッセージでもある。
「走る歓び」を届けるために挑戦し続ける人たちが、三菱の未来を走らせています。



















