1|会社概要と沿革
アサヒグループホールディングス株式会社(Asahi Group Holdings, Ltd.)は、
日本を代表する総合飲料メーカーのひとつとして知られています。
創業は1889年(明治22年)、前身の「大阪麦酒会社」からスタート。
その後、「アサヒビール」として日本のビール文化をけん引してきました。
本社は東京都墨田区吾妻橋1丁目23番1号。スカイツリーのお膝元に本社ビルを構えています。
2011年には持株会社制へ移行し、現在は
「アサヒグループホールディングス株式会社」 として、
ビールを中心とする酒類・清涼飲料・食品・海外事業の4本柱を展開。
国内外のグループ会社を束ねるグローバルカンパニーへと進化を遂げています。
代表取締役社長 兼 CEO は 泉谷 直木(いずたに なおき)氏。
同社は、「期待を超えるおいしさと、心豊かな社会の実現」という理念を掲げ、
日本の“乾杯文化”を世界規模へと広げています。
(参照:asahigroup-holdings.com)
2|事業内容とブランド戦略
アサヒグループの事業は大きく4つの領域に分類されます。
| 事業領域 | 主なブランド・特徴 |
|---|---|
| ビール・発泡酒・RTD | アサヒスーパードライ、アサヒ生ビール、アサヒスタイルフリー、ブラックニッカ |
| ノンアルコール・清涼飲料 | 三ツ矢サイダー、カルピス、ウィルキンソン、十六茶 |
| 食品・機能性領域 | Dear-Natura(ディアナチュラ)、和光堂(ベビー・栄養食品) |
| グローバルビジネス | Peroni(伊)、Pilsner Urquell(チェコ)、Asahi Super Dry(世界展開) |
中でも 「アサヒスーパードライ」 は1987年に誕生したフラッグシップブランド。
“キレ味のある辛口”というコンセプトが日本のビール市場に革命を起こし、
発売からわずか数年でトップシェアを獲得しました。
さらに近年では、「生ジョッキ缶」 や 「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」 など、
生活者の多様なニーズに応える新商品を次々に投入。
デザイン・味・利便性のすべてを兼ね備えた“新しいビール体験”を追求しています。
3|海外展開とグローバル戦略
アサヒグループは、すでに海外売上比率が約40%を超えるなど、
日本企業の中でも高い国際比率を誇ります。
特に欧州とオセアニアを中心に展開を加速。
- 2016年:イタリアの高級ビール「ペローニ」、オランダ「グロールシュ」などを買収。
- 2017年:チェコの老舗ブランド「ピルスナー・ウルケル」などを取得。
- 2019年以降:オーストラリアや東南アジアへの流通網を拡大。
これにより、同社は“グローバル・プレミアムビール市場”で存在感を発揮。
欧州ではプレミアムブランドとして高い評価を受け、
現地での製造・販売拠点も整備されています。
「日本発・世界ブランドへ」。
それがアサヒの次なる挑戦のキーワードです。
4|直近の業績ハイライト(2022〜2024)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 特徴・動向 |
|---|---|---|---|
| 2022年12月期 | 約2兆5,773億円 | 約2,384億円 | コロナ禍からの需要回復、欧州事業の伸長 |
| 2023年12月期 | 約2兆7,241億円 | 約2,496億円 | 為替の影響を除いても増収増益を達成 |
| 2024年12月期(予想) | 約2兆8,000億円前後 | 約2,600億円見込み | 海外売上比率40%超、プレミアム市場で好調推移 |
(出典:asahigroup-holdings.com IR資料)
業績は安定的に推移しており、
特に欧州・アジア市場での高付加価値商品が収益を支えています。
また、価格改定やコスト高騰の中でも利益率を維持できている点は、
ブランド力・サプライチェーン最適化の成果といえます。
5|ESG・サステナビリティへの取り組み
アサヒグループは、環境・社会・ガバナンス(ESG)にも積極的です。
▶ 環境(Environment)
- 2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)を目指す。
- すべての製造拠点で再生可能エネルギー導入を推進。
- ペットボトル・アルミ缶の再利用率を高め、循環型素材を採用。
▶ 社会(Social)
- 「責任ある飲酒」の啓発活動を展開。
- 女性管理職比率を2030年までに30%以上へ。
- 子育て世代を支える柔軟な働き方改革を推進。
▶ ガバナンス(Governance)
- グローバル経営体制の透明性向上。
- 外部取締役の増員による意思決定の多様化。
これらの取り組みは、世界的評価機関からも高く評価され、
「FTSE4Good Index」「MSCI ESG Leaders Index」 にも継続選定されています。
6|社員の声と企業文化
アサヒグループのカルチャーを象徴するキーワードは、
「挑戦・誠実・共創」。
若手社員からも、次のような声が上がっています。
「社会的に影響力のあるブランドを自分の手で育てる実感がある」
「国籍や年齢に関係なく意見を出せる風土が魅力」
「“おいしさ”の裏にある科学や技術開発にも関われる」
同社は、職種・年齢・地域を越えて
「ブランドと人」を軸に連携する企業文化を重視しています。
7|就活生・転職希望者にとっての魅力とポイント
✔ 魅力
- 国内外で認知されたトップブランド企業で働ける誇り。
- ビール・飲料・食品など多領域に渡るキャリアの広がり。
- グローバル市場を舞台に挑戦できる環境。
- 社員の働きやすさ・社会貢献性を両立した安定基盤。
⚠ チェックポイント
- 飲料業界は競争・価格変動・規制リスクが高く、市場変化に対応する柔軟性が求められる。
- 海外事業では英語力・異文化理解・スピード感が必要。
- 成熟市場における“新たな価値創造力”がカギ。
8|編集部まとめ
アサヒグループホールディングスは、
「伝統×革新」を軸に成長を続ける日本有数の総合飲料企業です。
ビールという“成熟した市場”の中でも、
海外展開・商品開発・サステナビリティの3領域で確かな成果を上げています。
一方で、社員一人ひとりが挑戦を重ねる文化が根づいており、
安定と変化の両立を志す学生にとって理想的な環境といえます。
「乾杯を、世界の笑顔に変える。」
そのミッションを担うのは、これからの世代です。
「社会に愛されるブランドを、自らの手で育てたい」
そう感じる人にとって、アサヒは“誇りを持てるキャリアの舞台”となるでしょう。





















